神と人との間

 

神は好色下界は蠢いている半裸

老いた神古社に籠って名無しとなる

神の怒りはやがて薄れて唸る遠雷

水浴のニンフらへ神はつい遠眼鏡

脱帽した神は都会のブルドーザーを許し

アマテラスが隠れても日蝕と言う現代

三千米の高さは神の厳然たる権威

原爆へ抵抗できぬ地主神たち

八岐の大蛇の首斬った頃は良かったな神よ

荒ぶる神が我慢ならぬと田畑は洪水

 


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